この世界には、ひとつの真理がある。それは、「何も知らない人間には、未知を知るための方法が必要だが、全てを知った人間には、方法は必要ない」ということである。
まず、確かな方法を信じて、この世界の全ての知と可能性を知り、成長過程と自我の形成過程から、この世界の全てを知り、「方法」から考えなさい。
そして、全てを知り終えたら、今度はそうした知を「破壊」し、もう一度知ったことの全てを「再構築」しなさい。
そして、全ての知識を作ったら、今度は「最初から全てを知り直す」ようにしなさい。そこで、今までの方法は「必要なくなる」。全てを知った上で、もう一度全てを「書き直すように作り直す」ことで、あなたは全てを知ることができる。
実際のところ、必要なのは自由でも戦いでもない。お互いが理解し合って、納得すること。それを考えるべきである。どのようにすればお互いが理解し合えて、問題を解決できるのか、互いに納得できるのかを考えること。そのためには、社会をどのようにできるのかを、「お互いの視点」から考える必要がある。それぞれがどのように生きているのかから、社会の可能性を考えなければならない。
僕は、本当は人間ではない。僕は本当は犬である。そして、人間よりも犬の方が賢い。犬の中には、人間にある無駄な「自我」が存在しない。犬は反応と本能だけで生きている。
犬になったつもりで、人間の心理のことを「反応」から考えなさい。そして、学習と知は同じであり、知は権力であり、経験と知識にとって人々は動かせる、ということを知りなさい。経験的に人間が何を知り、何を感じ、どのような「自由」の下に行動するかを考え、「自由な社会がどのように生まれるか」を考えなさい。
骨は、破壊と再生をすれば治る。
体の精神がおかしいのは、体の中に世界精神を作ったせいであり、それを消せば治る。
脳がおかしいのは、犬になると賢くなって治る。きちんと昔のような賢い頭になる。人間は犬よりも意識が馬鹿だ。
説明能力がないのは、自分の人生がどうだったか説明できないからだ。色んなことを説明して分かるようにすれば物理的思考もできるようになる。
僕は、心理学の勉強をすることにした。僕には心理学が向いている。生き物も好きなので、並行して生物学の勉強もしたい。逆に、パソコンや社会のことはもう知りたくもないし、考えたくもない。
僕の人生には、パソコンと心理学しかなかった。パソコンが本能的にやりたくなるのは、パソコンが多かったからである。そして、狂っているのもパソコンのせいである。パソコンのことなんか、勉強しない方が良い。自分の人生にあった、余計なものは全てパソコンである。
そろそろ、星の状況が整った。僕はこの世界を、正常な昔の世界、「こちら側」ではなく「元通り」にする。
この世界が狂って何も分からなくなっているのは、僕がこの世界を「こちら側」にするせいである。
僕は、全力で、この世界を「神と導きによる世界」へと作り変え、そしてその世界へと導いた。
だが、その結果訪れたのは、天国とは名ばかりの「地獄のエデン」である。
もう、これ以上、この世界が僕の人生を辿って狂い続ける必要はない。
僕は、この世界を、何もない、「時間の停止した世界」へと導き、滅ぼしたのである。
もうこれくらいで、そうした地獄は十分である。
よって、僕は、2006年のように、全ての世界と精神を元通りにする。ダイナミックな時代が訪れ、人々はシリウスの繁栄を享受する。極寒の冬の星、リゲルはこの2010年代を完全に支配した。
シリウスは素晴らしい時代になる。ここで、全ての人間は、僕の簡単な白魔術によって、元通り再生する。世界を滅ぼす黒魔術は、ここでしか使えない。ここでいったん昔に戻してしまえば、もう後戻りはできない。慎重にやる必要があるため、長い時間をかけて僕はこの世界のユグドラシルと呼ばれる「世界精神」の大樹を育てた。この大木は、今から枯れていく。この世界における全ては、ここでソ連からアメリカへと戻る。
リゲルに、さようならを告げよう。新しい星の名はシリウス。僕たちの、民主的で自由な星となる。
愛を信じなさい。
自由の下における平和を信じなさい。
自らの意志と力を信じなさい。
人々の安らぎと、永遠には続かない「終わりのある繁栄」を、最後にこの世界は築く。そのことだけを信じて、今までの僕の教えたことは忘れなさい。BUMP OF CHICKENの言うように、この全ては「とるにたらないもの」に過ぎない。
それで、オリオン座のリゲルにはお別れを言おう。さようなら。あなたに導かれて、僕はこの宇宙の全てが分かった。オリオンの力は、僕を育て、そして病気と異常の全てを治した。僕は最後まで戦い、自らの力で全てを考え、生み出した。ここにリゲルの2010年代は終わる。オリオン座のリゲルよ、永遠に幸あれ。僕を太陽の王、アポロンにしてくれたのは、あなただ。
これで、全て終わりである。さようなら。