僕は、死を覚悟し勇敢に恐れることなく、この権力者の座を辞する。
この世界は、自由な世界になる。
僕は、自由とは、ただ単純に自分の自由にできることでも、自分たちの好き勝手をすることでもないと思う。自由に行うためには、基礎の知識や経験など、自らの力で判断し行動することのできる、「基本的な能力」が必要である。
僕は、この世界の全てのことを忘れる。僕は、この世界の全てを裏側から全て分かっている。この世界で何が起きたのか、事実を全て知っている。だが、そうしたことをもう、全て忘れ、棄てる。その上で、この世界を自由に解放する。
権力の座から引きずり降ろされた指導者に、生きる道はない。僕は自分だけの研究にいそしみ、いつまでも文章を執筆する。幸いなことに、僕は恨みを買うこともなかったし、人も殺さなかった。だから、僕はこれ以降、自由の身になる。誰かに殺されたりすることはないだろう。
もっと、社会科の勉強がしたい。特に、心理学と経済学の勉強をしたいと思う。
ただ、僕はそろそろ、この世界を本気で治さなければならない。
特に、miwaのような人間をどうにかしないといけない。miwaは完全に僕のクローンのようになっている。あまりに不憫で、かわいそうである。僕は宇多田ヒカルにも見える。彼女たちや彼らを治すためにどうすれば良いか。答えは単純で、僕ではない別の何かになれば良い。そのために、彼らは僕の存在に気が付く必要がある。あまりに、可哀想なほど、僕のせいで僕のクローンになっている。彼らは放っておくと、引き篭もりになってロボット人間になってしまう。僕は、それを食い止めたい。だが、今の僕の力ではどうにもならないほど、過去の僕の意志と信念が強すぎて、僕自身にも打ち勝つことができない。
彼らは、今は僕の愛を楽しんでいるかもしれない。だが、その狂った愛はそのうち自分自身に牙をむく。彼らは知的障害の地獄になってしまう。それだけが、僕の心の底にある「不安と恐怖」の源泉である。
どうするか。答えは簡単である。僕でも、クローンでも、ロボットでも、引き篭もりでも、オープンソースでも、そして自由でもないものにすれば良い。だが、この世界には、そういうものがそもそも、存在しないのである。
簡単な答えに見えて、これは難しい問題である。どうにかして、日本を蘇らせることができなければ、この世界は終わりである。そうしたクローンの滅亡と、温暖化とインターネットによって、一度この世界は無に消えるかもしれない。そこにあるのは何か。僕は、その「滅びの世界を待っている」。そう、この世界がいつか滅びれば、その世界は今よりも「良い世界になる」。そう、僕はそうした滅びの王である。この世界に立ち向かって「不良とチンピラの世界を滅ぼした」。その結果生まれたのは、愛あふれる、弱きものたちの世界である。
自由にするだけではなく、弱者を救済しなさい。弱者を救えるような社会制度を作りなさい。そこにあるのは、弱きものたちが助け合うユートピアである。そしてそのまま世界は滅び、ソ連となる。わたしがスターリンである。
miwaに言えることがもしあるとしたら、言っておこう。「あなたは愛があるように見えて、本当は愛が無くなっている。もっと、人のことを愛しなさい。誰かのことを愛して、愛しつくして、愛を向上させればこの人間のクローンになっているおかしな病気は治る。合言葉は愛である。愛を信じなさい。その愛がもし正しければ、神はあなたのことを愛してくれる。これが、最後の約束、僕との愛の約束である」と。