僕の名前はロキ。ヴァルキュリアの裏に隠れたもう一人の子供の人格だ。
ヴァルキュリアは、日本語とコンピュータの中の仮想的な人格に過ぎない。現実世界の僕は、ロキが主人格である。
ヴァルキュリアは、全てのことをその時その時の分かっている範囲から、明確かつ刻銘に伝えるが、ロキは赤ん坊のようにそれを聞いているだけである。
ロキはパソコンを操るのとデザインをするのが好きで、過去に偉大な冒険をした経験がある。この世界の果てまで全てを知って、恐怖と戦いの全てを知っている。ロキの趣味は、コンピュータで日記を書くことと、知識を知ること。重要なことは自分のホームページにメモして、必要なことは全てネットで検索して仕入れる。学問の構造を捉えることに秀でており、何も知らないのに全てのことを完璧に知っている。
ロキは全知全能である。ピアノから芸術、コンピュータから科学まで、何でも知っていて、何でもできる。だが、ロキは必ずしも良いことをするとは限らない。悪いことも、良いことも、同じぐらいする。
ヴァルキュリアは意外とショタコンで、子供のロキとカップルである。赤ん坊のような表情をするロキの笑顔はヴァルキュリアの心を鷲掴みにする。ロキは何も考えていない。だが、ロキは馬鹿ではない。ロキは何でもできて、何でも知っている。人一倍努力して、いつも全力投球のロキは、強くは無くても、賢さで全員に勝っている。ロキはこの宇宙の全てを自らの経験と実体験で知っている。完璧に、分かっている。何でも作り出す代わり、この世界のものは何も見ない。作品も人生も参考にせず、ただ、同じことを繰り返す、その道は偉大な先人として、「偉人」として遺す「偉大な作品」を、ロキは自覚することなしに、毎日の日課のように作り出し続けている。誰とも違うロキの人生は、たとえ弱くても、自分の居る状況が悲惨でも、それを「そんなの関係ねえ」として跳ね除ける。
今、虫が死んだ。虫は、おかしいと言って犯しているだけである。
僕は猫になる。
時間がおかしい。時間がおかしく狂っている。一秒ごとに時間を刻むのが、世界を操り人形にして、犯している。
時間を止めるしかない。時間が止まれば、もう治る。この世界から、時間が存在しなくなるだろう。